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「考察」流行り

ブログでは塾と関係のないことのみを書いています。

本当にたいしたことは書かないので 御用とお急ぎでない方、

特に、お暇で気が向いた方にお読みいただければ幸いと書く次第です。

 

近頃、お若い方々から「考察」という言葉を聞く機会が増えたなあと思っておりました。

テレビドラマについての「考察」、映画を観ての「考察」なんて場面であります。

 

お話していると若干の違和感。

どうも私の考えている「考察」と現在もてはやされている「考察」に微妙な違いがあるのでは?と。

 

そんな私のボヤ~っとした、モヤ~ッとした気持ちにスッと答えてくれた本を最近読みまして、

本日はそんなご本の感想文といったところで、

毎度では御座いますが、本日もお付き合いのほどよろしくお願い申し上げる次第であります。

たまたま同じ連続テレビドラマを見ていた塾生さんとの会話、

そのドラマはいわゆるミステリーで犯人捜しの物語でありました。

 

SNSを通じてそのドラマに関する「考察」が盛り上がっているとのこと。

何につけ深く考えるということはとても良いことと思いお話をさせていただくと、

どうも違和感を感じます。

「考察」という言葉の解釈に違いがあるようです。

 

私の考える「考察」は、独自の視点や独創的な推論をもって、

「それって意外と真実をついているかもね」とか、

「独特過ぎる気もするけど、ちょっとわかるかも」とか言ったり言わなかったりして、

それを面白い考察トークと考えていました。

感想や、批評に近い意味で「考察」を使っていたわけであります。

 

「考察」は様々な見解があってよい。

お話のお題としては考えが様々であるからこそ面白い。

そんなふうに考えていたわけであります。

 

しかし、現在流行りの「考察」はご事情が違うようで、

こちらのご本でなるほどと納得したわけであります。

 

現在流行りの「考察」とは、

例えば、連続ドラマのお話の半ばで結末を正確に予想するとか、

また、製作者の意図を過たず読み取るとか、

それらを明らかにすることを目的とし、考える行為であると。

 

一番の違いは「考察」した結果、

その「考察」が正解であったか不正解であったかが必ず判明するという点でありまして、

現在流行りの「考察」はその正解というゴールがあらかじめ設定されているものとのことであります。

 

そんなわけでありますから、

正解を求める過程で必然的に生まれる様々な不正解には

どんな内容であれ、あまりご興味をお持ちでない。

 

国語の物語文の読解問題のようなものでしょうか。

「考察」する者たちはそのゴールに迷わず、

より早く到達したもが勝者というある種の競技になっているとのこと。

 

なるほど納得であります。

 

私は少しでも面白い視点のお話ができれば、

また、どんなところにご注目されたかを伺い、

そこから何か面白い話に広がればと、そんことを考えていたわけであります。

 

しかるに、現在流行の「考察」は唯一絶対の正解、

犯人が誰であるかとか、伏線回収がどのように行われるかとか、

何が匂わせエピソードで何がミスリードを誘う演出だったのか、

などなど、結末を見れば一目瞭然の正解を

いかに正しく速く推理できるかを求めての「考察」をこそ楽しんでいるのでありました。

 

これはお話がかみ合わないわけであります。

 

新旧「考察」観の違い、お好みはそれぞれでありましょう。

しかし、どちらの「考察」が優れているとか正しいとか、

私はその手の議論にはあまり興味はありません。

 

新しいルールができているならそのルールで楽しめばよいことでありますから

私も私なりに犯人予想、展開の予想をしてみるのでありますが、

SNSを駆使し様々な意見を収集し「考察」するお若い皆様には、

まったくもって歯が立たないといったところでありましょうか。

トホホであります。

 

著者の三宅香帆さんはこの

「考察」は正解を求める競技になっているという変化をとっかかりとして、

「萌え」と「推し」のちがい、「界隈」という概念、

「ググる」(Google)から「ジピル」(ChatGPT )へ等々、

私が日ごろボヤ~っと、モヤ~ッとした気持ちになっていたあれやこれやに

「報わた感への渇望」という視点で、スッと一つの見解をお示しされているご本でありました。

 

私が如きが僭越ではありますが、良書、お薦めであります。

 

毎度、駄文にお付き合いいただき、誠にありがとうございます。

また、お暇のおりにお付き合いいただけますようよろしくお願いいたします。

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