田村三兄弟
ブログでは塾と関係のないことのみを書いています。
本当にたいしたことは書かないので 御用とお急ぎでない方、特に、お暇で気が向いた方にお読みいただければ幸いと書く次第です。
俳優の田村正和さんが亡くなりました。
ご冥福をお祈りします。
高校生に
「田村正和が亡くなっちゃったね」というと
「だれ?俳優さん?」との反応。
「あれだよ、古畑任三郎。」私なりに若い世代に寄せて説明しました。
しばらく間があって、思い当たったようです。
「ああ、わかったザコシショウね」
衝撃でした。
名優田村正和とは芸人ハリウッドザコシショウの誇張しすぎたものまねの、もとネタの人でした。
思えば田村正和、よくものまねされた俳優でした。
ものまねされるって、スターの証ですよね。
栗田貫一、小堺一機、ものまね上手の名人芸から、
キムタクこと木村拓哉もコントでまねていました。
スターにまねされたスターも珍しい。
最終進化形態がザコシの誇張しすぎたものまねです。ドスドスド~ス。
う~ん、進化し尽くしました。希代の大スターです。
「田村正和は阪妻の息子」と私の先輩世代の人は言っていました。
阪妻こと阪東妻三郎。
映画の黎明期、無声映画の時代に歌舞伎から転身したスターだったそうです。
私にとっては世代が上過ぎて神話の中の登場人物です。
阪妻の子供達も俳優になります。
兄に田村高廣、下の弟に田村亮。
田村正和はそんな一家に生まれ俳優として活躍しました。
田村三兄弟、名優揃いの一家でした。(田村亮は存命)
田村三兄弟の中で、私が特に好きだったのは田村高廣でした。
「兵隊やくざ」というシリーズものの映画がありました。
勝新こと勝新太郎と田村高廣のコンビが活躍する楽しい娯楽映画でした。
映画界には「バディフィルム」(相棒もの)といわれるカテゴリーがあります。
勝新の大宮二等兵と田村高廣の有田上等兵は最高のバディでした。
二人の関係、二人のコンビがとにかく面白い。
関東軍も手を焼く暴れん坊の大宮は、体力はないが精神力と知力に長けた有田上等兵にだけはなぜか従順、大好きなのです。
シリーズものの映画ですから毎回設定は変わりますが、それは小道具です。
この二人を見せたい、観たいという映画でした。
「泥の川」も印象的でした。宮本輝の小説の映画化でした。
こちらはシリアスなテーマの社会派映画でしたが、
厳しい現実にめげず実直に生きる庶民を好演しました。
主演した映画ばかりでなく脇役に回ったときも存在感のあるいい俳優でした。
脇でも光るのは弟の田村亮も同様です。
正和は主演が多い俳優でした。
ファミリーきっての大スターでしたから、彼についてのエピソードは多くの人が語るところでありましょう。
そこはお任せして、私はお兄さんの思い出話で、些かの手向けとしたいと思います。
毎度お付き合いいただき、ありがとうございました。