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築山殿と早川殿

ブログでは塾と関係のないことのみを書いています。

本当にたいしたことは書かないので 御用とお急ぎでない方、

特に、お暇で気が向いた方にお読みいただければ幸いと書く次第です。

 

2023年も残すところ数日となりました。

本日は、今年の大河ドラマ「どうする家康」の感想を。

 

とても面白かったです。

 

歴史ものは大きなイベントが決まっていますから、

「よ、待ってました」の楽しみがあります。

必ず、1582年には本能寺の変が起こりますし、

1603年になれば江戸幕府が開かれます。

 

当たり前といえば当たり前なのですが、

やはり黄門様が印籠を出すとスカッとしますし、

ジャイアント馬場が16文キックを繰り出せば観客は喜びます。

 

「どうする家康」も歴史に沿ってお話はすすみ、

歴史上のビッグイベントたちが、時に詳しく、

時にナレーションだけであっさりですが、とにもかくにも展開していきます。

私は「よ、待ってました」と楽しんだわけであります。

 

しかし、待ってましたの期待に応えるだけでは、

お話としては面白くはなりません。

そこはそれ、本作ならではの趣向が凝らされるわけでありまして、

そこが楽しむポイントとなります。

 

今年の大河ドラマ「どうする家康」では、

大胆な人物像の新解釈とでも申しましょうか、

お馴染みの登場人物に今までにないキャラクターを与えたり、

あまり目立たなかった人物に注目したりといった面白さがありました。

 

思い出すままご紹介させていただき、

毎度毎度では御座いますが、

本日もお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げる次第であります。

 

まずは主人公、徳川家康の正妻築山殿でありましょう。

 

有村架純演じる瀬名姫こと築山殿。

 

今までは悪妻として描かれることが多かったのですが、

いや、多かったなんてのは遠慮した言い方で、

築山殿は憎まれ役というのは定番の設定でした。

 

家康が描かれるたびに、それぞれの作品で、

それぞれの時代の悪妻像を

一身に背負わされてきた人物といって過言ではありますまい。

 

そんな全日本悪女代表のような築山殿ですが、本作では一転。

有村架純の築山殿、とっても良い人です。

 

家康の最愛にして永遠の恋人。

オンリーワン・フォーエバーです。

「戦なき世」との理想を求める強く優しく聡明な女性で、

家康に対しては母性の慈愛に満ちた素晴らしい人となっていました。

 

歴史好きには仰天の設定ですが、

話が面白いのですんなりと受け入れられました。

有村架純によって築山殿の名誉は多少なり回復されたといったところでしょうか。

 

続いては今川義元、今川氏真の親子です。

 

今川義元には野村萬斎、氏真には溝端淳平。

良い配役です。

 

桶狭間の戦いで信長に敗れた義元。

嫌味な貴族趣味で戦下手と、あまり良く描かれることがなかった人物です。

息子氏真に至っては蹴鞠が上手なだけで暗愚な人物ってことにされがちでした。

 

本作では、義元は家康にとっての心のメンター、氏真を心の友として、

いずれも素敵な人物として描いてくれました。

 

特にうれしかったのは、

氏真の奥さん、志田未来演じる早川殿です。

早川殿は北条氏康の娘、氏政の妹(姉説も)です。

これまた良い人での登場。

北条ファンの私はここまで描いてくれるとはと歓喜です。

 

早川殿の名前の由来は、小田原の早川から来ています。

早川の築港でおなじみのあの早川です。

 

生年も名前もよくわかっていない彼女ですが、

氏真とともに数年早川に住んでいたので早川殿と呼ばれます。

なんだか身近に感じます。

隠れた地元のスター登場でした。

 

最後に北条氏政といいたいところですが、

今回はあまり出番がありませんでした。

 

しかし、こと小田原ということでいえば、

小手伸也演じる大久保忠世がいい役どころでした。

北条家によって城下町として栄えた小田原ですが、

それを引き継いで江戸時代に宿場町として栄えたのは大久保家の功績です。

 

戦国時代に城下町として栄えながら江戸期に衰退した街もあまたあります。

小田原の現在あるは大久保家、祖である忠世によるところ大であるといい得ましょう。

 

忠世は小田原に入ると、暴れ川であった酒匂川の改修に取り掛かったとか。

酒匂川流域に生息する私としては、酒匂川の土手を見るにつけ、

小手伸也さんありがとうと思うわけであります。

 

以上、わたくしの極々私的な感想を申し上げさせていただきました。

 

毎度、駄文にお付き合いいただき、誠にありがとうございます。

また、お暇のおりにお付き合いいただけますよう、よろしくお願いいたします。

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