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頑張れ!湘南ベルマーレ

ブログでは塾と関係のないことのみを書いています。

本当にたいしたことは書かないので 御用とお急ぎでない方、

特に、お暇で気が向いた方にお読みいただければ幸いと書く次第です。

 

サッカーJ1リーグ公式戦、

湘南ベルマーレvs柏レイソル戦を観てきました。

隣町の平塚、レモンガススタジアムこと平塚総合公園です。

私の応援する湘南ベルマーレは負けてしまいましたが、

とてもエキサイティングな試合でした。

 

野球応援歴は長いのですが、サッカーの応援は初心者です。

ここ数年、湘南ベルマーレの応援をしています。

 

そんなわけで、プロ野球とJリーグの違いに驚きながら楽しんでいます。

90年代、Jリーグ発足の頃に日本中が感じた驚きと楽しさを

数十年のタイムラグで実感しています。

 

プロ野球とJリーグ、多くの相違があるのですが

私が最も大きな違いと感じるのは年間試合数の違いです。

 

サッカーは年間の試合数が少なく、野球は多いです。

サッカーは試合数が少ないので、ひとつの試合の重みがちがいます。

 

野球は毎日のように試合があります。

年間140も試合があっての勝ったり負けたりです。

 

優勝といっても、6勝4敗ペースなら充分優勝に絡めます。

7勝3敗なら記録的な独走の優勝です。

 

負けといっても、例えダントツ最下位であって100敗はしません。

140のうち40くらいは勝ちます。

 

ですから、今日負けたとしても気持ちを切り替え明日に備えることが大切です。

負けても、「良いピッチャーを温存できたのは収穫」なんて考えたりもします。

 

サッカーは厳しいです。勝者と敗者の差が激しい。

 

突出した勝者の例では、2015年のサンフレッチェ広島。

年間の勝敗が23勝5分6敗で優勝。

ダントツです。負けない率8割超え、1年間ほとんど勝ちっぱなしです。

 

翻って敗者の例では、2013年大分トリニータが2勝8分24敗なんてのがあって

年間わずか2勝。負けっぱなしです。

 

しかも、順位下位のチームは下位リーグのJ2へ降格です。

翌年はJ1リーグにいられません。

「明日に備えて」なんて言ってられません。じつに厳しいです。

サッカーファンがひとつの試合に熱くなるわけです。

 

野球の弱いチームのファン(私です)あるあるなのですが、

シーズン半ばで今年は勝てないとなると、

「来シーズンを見越して将来性のある若手を育てよう」となります。

のん気な話しです。

暗黒期が高じると、ゴールデンウイークあたりにそんな話しになったりします。

この悪習は、今年どんなに負けても

「来期から日本生命(社会人強豪チーム)と入れ替えね」とはならないからだったんですね。

 

まあ、厳しいのが良くて、のん気なのが良くないって話しではありません。

それぞれの楽しみがあるという話しなのですが、ずいぶんと違いがあるものです。

 

他にも、試合時間も大きくちがいます。

サッカーは90分と時間制ですが、野球は2~4時間くらいとアバウトです。

フランチャイズ制もサッカーの方が明確で、野球はおおらかです。

 

いろいろな違いがあるのですが、

ひとつの試合、一瞬のエキサイトという点ではサッカーに軍配が上がりましょうか。

競技上、身体接触が多いというのも一役買って、観ていて感情的にエキサイトしがちです。

 

さて、先日の柏レイソル戦です。

2対4の敗戦でしたが、とてもエキサイティングな試合でした。

「ゴールが決まった!」と思った直後に、

ハンドやオフサイドなどでゴールは取り消しという場面が続発。

取り消しが全てなければ5得点。5対4で勝てていたのでは?という試合でした。

幻のゴールになったものもありましたが、素晴らしいシュートの打ち合いで見応えたっぷりでした。

 

試合は序盤から、私の応援するベルマーレ優勢で進みました。

しかし、微妙な判定でことごとくベルマーレに不利な裁定が続きました。

レフリーに含むところがないのはわかるのですが、

何度も続くのでつい興奮してジャッジに抗議したくなります。

 

ビデオ・アシスタント・レフリー(VAR)というシステムが導入され、

微妙な判定には画像が利用されます。

試合を止めて主審が画像を確認して最終判定をします。

その画像はスタジアムのスクリーンにも映し出されます。

 

そんな場面が幾度もあり、

これがまたことごとく微妙な画像。

どちらともとれるのですが、ファン心理としては身びいきに見てしまいます。

 

スクリーンに大きく映し出された映像を見て、

「これはハンドではない」あるいは「オフサイドはないな」

だから「このゴールは決まりにちがいない!やった勝ち越し点だ!」

とスタジアム全体が喜んでいるところで、

ピッチに戻ったレフリーの判定は無情にも「ノーゴール!」

 

コロナ禍なので、大きな声での声援は御法度です。

サポーターは手をたたいての抗議です。

 

ゴールが取り消されたときは監督もピッチに駆け寄り大声で抗議です。

観客をあおって、大きなジェスチャーで猛抗議します。

手をたたく音は最高潮に。スタジアムが一体になります。

しかし裁定は覆らない。

 

憤懣やるかたない気持ちのままプレー再開。

今度は不運にめげず次の1点を目指す選手を励ます拍手が起きます。

そんなことの連続という、実にエキサイティングな試合でした。

 

現代落語の巨人、立川談志は言いました

「芸術とスポーツの意義は非常識(イリュージョン)の解放だ」と。

普段の常識的な生活の中では封印されている興奮とかエキサイトという感情を、

激しい喜び、悔しさといった様々な感情を芸術とスポーツは解放します。

 

私も、普段は努めて、何があっても出来るだけ心穏やかにと過ごしているわけですが、

このときばかりは遠慮なくエキサイトです。

一瞬の興奮に気持ちをまかせる楽しさを堪能しました。

 

相手チーム、柏レイソルからすれば、幸運な機会を逃さず勝利につなげました。

不利なアウエーの空気の中でもあきらめず戦いました。敵ながら天晴れです。

 

ベルマーレも持てる力は充分に発揮しました。ただ、ジャッジに運がなかったということでしょう。

 

この展開は実にエキサイトします。

負け試合ではありましたが、楽しいサッカー観戦でした。

 

敵も味方も持てる力を充分に発揮し戦う。

これが見られるだけでスポーツ観戦の楽しさは充分味わえます。

これに、ジャッジへの不満というどうにもならない不運が重なると

一層興奮は昂ぶるものだなあと思った次第です。

 

余談ながら、蛇足なお話しをさせていただいてもよろしいでしょうか。

 

この試合の後、興奮冷めやらぬなか、私が思い出したのは、

「80年代プロレス」のことでした。

 

「80年代プロレス」はこのことをよくわかっていました。

「レフリーへの不満は場を盛り上げる」ということをです。

 

全日こと、ジャイアント馬場率いる全日本にプロレスでは、

スキンヘッドがトレードマークのレフリー、ジョー樋口。

試合の大事なところで、ちょいちょいリング下で失神していました。

 

ジャンボ鶴田、必殺のバックドロップが炸裂、王者レイスは完全にグロッキー。

しかしレフリーは、あ~リング下で失神!

「悲願のタイトル奪取は幻に!」と倉持アナが絶叫。

は定番の展開でした。

 

新日こと、アントニオ猪木率いる新日本プロレスでは、

メインレフリー、ミスター高橋が、悪のマネージャー将軍kyワカマツに

「宇宙パワー」というナゾの催眠術をわかりやすくかけられ、

不可解なマシーン軍団勝利の裁定で会場を騒然とさせました。

興奮した観客が会場を壊す、火をつけるという暴動騒ぎもよくありました。

昭和の日本、ワイルドでした。

 

全女こと、クラッシュ対極悪同盟で大人気の全日本女子プロレスには、

真打ち、悪徳レフリー阿部四郎がいました。

「悪徳レフリー」という肩書きがそもそもエキサイティングです。

いつでもどこでも悪の限りを尽くす阿部四郎に、

「レフリー代えろ!レフリー代えろ!」という

希にみる具体的指示を含むコールが巻き起こり興奮の坩堝でした。

 

いずれも、観客は乗せられるがままにエキサイトし、我を忘れて興奮しました。

談志の語るイリュージョンの具現化だったのかもしれません。

 

エンターテイメントの世界では、

「レフリーへの不満爆発」は何かのスイッチを確実に入れてしまう

鉄板のギミックであることは間違いありません。

 

そんなことを帰り道、考えていました。

 

そういえば、思い出しついでに、

蛇足の蛇足のお話をもう一つさせてください。

 

「野球は巨人、司会は巨泉」でおなじみの大橋巨泉は

生前、司会の極意として、

「司会者は憎まれ役でなければならない」と語っていました。

 

確かに巨泉さんはいつでも過剰に偉そうに振る舞っていました。

その方が場が盛り上がることを知っていたんですね。

 

フジテレビの朝の情報番組「特ダネ」のキャスターだった小倉智昭アナは、

巨泉の弟子筋で、その芸風をよく受け継いでいます。

彼もまた、いつも過剰に偉そうな司会者。悪役レフリーの系譜です。

 

ゲストの人たちのトークを視聴者に堪能してもらい、

さらに自分が悪役レフリーを演じることで番組をさらに盛り上げるという手法でした。

みごとな司会術といえましょう。

 

閑話休題。

 

ライブでのスポーツ観戦は楽しいです。

テレビはお手軽だし、ダゾーンは便利ですが、ライブの楽しさが一番です。

 

願わくは、隣町でいつでもJ1リーグを気軽に観戦できるという

この幸運なる状況が末永く続きますようにと、

これからも湘南ベルマーレを応援していきたいと思う今日この頃であります。

 

毎度、駄文にお付き合いいただきありがとうございます。

また、お暇なときにお付き合いいただけますよう、

よろしくお願い申し上げます。

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