ブログ

天災は忘れた頃に

ブログでは塾と関係のないことのみを書いています。

本当にたいしたことは書かないので 御用とお急ぎでない方、

特に、お暇で気が向いた方にお読みいただければ幸いと書く次第です。

 

毎度そんな書き出しで書いておりますが

今回ばかりは、いつかお役に立つかもしれないお話です。

 

数年前から、当塾の道路に面した所(屋外)に公衆電話を設置しています。

 

きっかけは、NTTからの一本の営業電話でした。

私にとっては唐突に

「公衆電話を設置しませんか?」とのことでした。

 

携帯、スマホが普及し街中で公衆電話を見なくなりました。

ちょっと前まで沢山あった気がしますが

めっきり見かけません。すっかり過去の遺物です。

 

そんな過去の遺物、公衆電話を

今、わざわざ設置するなど酔狂な話しだと思いましたが

話しを聞いてみて宗旨変えしました。

 

NTTの営業電話の方曰く、

公衆電話の設置台数はやはり激減しているそうです。

ニーズがなくなったのですから減るのはやむを得ませんが、

減りすぎて困っているというのです。

 

普段の通信手段としては過去の遺物になった公衆電話、

実は、もう一つ大切な役割があるとのこと。

 

それは、非常時の通信手段という役割です。

それは減りすぎては困りましょう。

 

「万が一、災害が起きたときの地域のために設置しませんか?」とのご提案。

そういうことならと、まずは、お話を伺いました。

 

大規模災害が起こると、通話が集中し、回線がパンクして通話できなくなることがあります。

 

公衆電話(NTT設置の)は警察の110番や消防救急の119番と同じで、「災害時優先電話」という扱いで、一般回線とは別枠なのだそうです。

携帯電話や固定電話(家庭電話)が繋がらないときでも、公衆電話は繋がる可能性が高いのです。

 

公衆電話とは「災害時の地域のライフライン」でもあるのでした。

 

また、災害時には停電も予想されます。

停電によって固定電話、携帯電話(充電できずに)が使えないという状況も予想されます。

 

公衆電話は停電になっても使えます。

10円・100円硬貨でなら使用できます。

 

停電するとテレフォンカードが使えなくなるのですが、

テレフォンカード、もはや懐かしグッズですよね。

 

まあ、要するに、「停電になっても公衆電話は普通に使える」ということです。

覚えておいて頂けるとお役に立つかもと思います。

 

こちらからの電話が繋がったとしても、先方の電話が繋がらないという状況は十分考えられます。

 

そんなときに備えて、NTTは災害時に「災害用伝言ダイヤル」というサービスを提供するそうです。

1995年の阪神淡路大震災の経験をもとに始められたサービスで、

2011年の東日本大震災でも、そのほかの災害でも、被災地で大いに活用されているそうです。

 

使い方は簡単です。

公衆電話(固定電話、携帯電話でも可)から「171」とダイヤルします。

音声ガイダンスに従い、メッセージを伝えたい相手の電話番号(家電、携帯いずれも可)を登録して音声メッセージ(30秒)を残します。

音声メッセージを受け取るときも、同じく「171」から登録の電話番号プッシュでいつでも、どこからでもメッセージを聞くことができます。

 

NTTが用意した災害時の通信手段です。「災害用伝言ダイヤル『171』」です。

 

いろいろと知りませんでした。

というか考えたことがありませんでした。

チコちゃんに叱られそうですが、その点「ボーッと生きて」いたといわざるを得ません。

 

公衆電話とは「災害時優先電話」であり「災害時の地域のライフライン」でもある

「停電になっても公衆電話は普通に使える」「災害用伝言ダイヤル」の用意もある。

普段意識しなかった「公衆電話」の勉強をさせてもらいました。

 

突然の営業電話でしたが、そんな話しを伺い、その場で設置を決めました。

以来、数年がたちます。

 

幸いにして、今のところそういった形での活躍をしていない当塾の公衆電話ですが、

当塾のご近所にお住まいの方、災害時に「柏木塾に公衆電話があったな」と思い出して頂けると、お役に立つこともあるかと思います。

ご近所でない方も、最寄りの公衆電話の位置を確認しておいていただくと、万が一の時の備えになるかと思います。

 

若い世代の方々は、公衆電話を使ったことがない人が大半です。

「10円硬貨をどのタイミングで投入するのか?」などは、

知ってる人には当たり前なことですが、若い人は知りません。

機会があったら、緊急な場面になる前に「公衆電話で電話する」をご体験なさっておくと安心かと存じます。

 

先日、自治会の集まりで地域の災害対策の話がありました。

地域の公衆電話の設置場所が確認されました。

私たちの自治会内では当塾含めてわずか3台です。

 

「昔、あそこにもあったよね」という公衆電話が今はないということもかなりありました。

皆さんもちょっと気にかけて、ご近所の公衆電話が現在も使用可能かご確認ください。

 

さて、公衆電話を設置したので通話料金の管理は私の仕事です。

通話料の10円硬貨、100円硬貨を電話機内から取り出し、NTTとやりとりすのは私の仕事となりました。

 

では、ここで問題です。

当塾設置の公衆電話。どれくらいの頻度で利用されているでしょうか?

 

公衆電話の利用状況は3ヶ月単位で報告があります。

今まで最高で30円/3ヶ月。これまでの通算80円です。

意外なことにテレフォンカードでの利用が数回ありました。

普段は0円/3ヶ月が当たり前、全くといっていいほど稼働していません。

 

昨今はやりの「コスパ」で考えたら無駄な労力ということになりましょう。

ですが、普段、無駄に思えることが、緊急時にとても有用になるのはよくあることです。

平時の過度な効率追求(コストカット)は、非常時の脆さになります。効率のパラドックスです。

 

目的は非常時の地域の備えです。非効率結構。

それくらいのお手間はさせていただきましょう。お安い御用です。

 

「三年寝太郎」という昔話があります。

普段何もしないでゴロゴロ寝ているだけの怠け者が、何かのきっかけで大きな仕事をするという民話の定型で、各地方、各時代に様々なバリエーションがあります。

そんな出来事が日本各地に古来からあったのでしょう。

 

当塾設置の公衆電話も「三年寝太郎」です。寝てます。

今や当塾の公衆電話に限らず、公衆電話という存在が「三年寝太郎」です。

緊急の時にその存在を思い出してください。

お役に立つことがあるかもしれません。

毎度お付き合いいただきありがとうございます。

また、お暇なときにお付き合いください。

よろしくお願いいたします。

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