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新刊待望

ブログでは塾と関係のないことのみを書いています。
本当にたいしたことは書かないので
御用とお急ぎでない方、特に、お暇で気が向いた方にお読みいただければ幸いと書く次第です。

きょうだいの性格というのは補完関係になりがちなのだそうですね。

お互いに他のきょうだいの得意なところを立てて足りないものを補い合うからでしょうか。
性格が全然違うきょうだいって、そろって一人前というか、得手不得手を分け合っているというか、そんな感じがします。

映画「男はつらいよ」の寅さんと妹さくらとか、
古今亭志ん朝と金原亭馬生とか、
ドリーとテリーのザ・ファンクスとか、
性格全然違いますよね。

お笑いの世界でも、ザ・たっちを例外とすれば
中川家とか千原兄弟とかミキとか、みなさん好対照な感じですよね。

で、前回の続きで北条家のお話です。

私を魅了してやまないのが4代目当主・北条氏政とそのきょうだいです。
いっぱいいます。前回も書きましたが、もう一度書きます。

上から氏政、氏照、氏邦、氏規、上杉景虎となる三郎、養子コンビの氏忠、氏光。
加えて様々な大名家へ政略結婚で嫁ぐ姫(妹)たちです。

これみんな、氏政の父3代目氏康の子です。北条氏康、さながら戦国のビッグダディーですな。

私にはオールスターキャストの4代目H(北条)ソウルブラザースなのですが、世間的にはあまり知名度が高くありません。

ですから
「北条氏政という名前を知っている」と言われただけで、「この人は、いい人かもしれない」と思ってしまいます。

「次男の氏照って戦さ上手だったんだよね」なんて言われたら握手します。

「氏規が兄ちゃん達に遠慮しない性格だったら、小田原合戦はわからなかったよ~」
なんて言われた日には、かの剛田武氏のように「お~こころの友よ」と号泣しながらハグします。

そんな知名度しかない彼らなのですが、
「ネットで販売⇒テーマのニッチ化」のおかげで、
最初に小説の主人公になったのは次男・氏照でした。

八王子城城主、武勇、外交手腕に優れたナイスガイです。
「4代目当主が氏政でなく氏照だったら」は定番トークです。それほど評価されている漢です。

彼の地元、八王子でも愛されていて「氏照まつり」を毎年してもらっています。
ゆるキャラ「うじてる君」と八王子の街を練り歩きます。

オタクなファンにありがちな
「俺の考える氏照とちがう」なんてケチなことは申しません。
この作品でやっと語り合える友を得たような気持です。感謝感激でした。

程なく氏規が主人公の作品も刊行されます。
四男とされていましたが、最近の研究で三男だった説が有力になっています。
彼もまた生年、生母がはっきりしていません。
そんな氏規をテーマに小説を書いてくれました。
知的で冷静、かつ豪胆な氏規を堪能しました。

最新刊は三郎こと上杉景虎が主人公の作品です。
七男ということになっていますが、
間に養子が入ったり例によって生年不肖だったりするのでおそらく七男てところです。

三郎は何と、ライバルというか宿敵の上杉謙信の養子になります。
同盟のための人質として養子に出されました。

さぞ苦労するだろうと思いきや、謙信に大変に気に入られます。
上杉景虎と名前をもらいますが、これは上杉謙信の以前の名前です。ビックプレゼント!
子のない(生涯独身)謙信は三郎を実子同然にか可愛がりました。

戦国最恐と恐れられたコワモテ上杉謙信に気に入られたのです。
どんだけ魅力的な青年だったのでしょう。
三郎に宿る北条のほほんパワーの炸裂です。

同作では、三郎の妹、桂も登場します。
武田信玄の跡取り、武田勝頼に嫁ぐ妹です。
三郎は我が身の上に重ねて敵将に嫁ぐ桂を思いやります。
気丈な桂も兄三郎の身を案じます。

桂は武田家滅亡の折、実家の北条家に帰るのを潔しとせず
夫勝頼とともに自害しました。享年19歳。(のはず)

三郎も資料が少ない人物ですが
桂に至っては数点の資料に「勝頼室、北条夫人」と書かれているくらい。

無機質な資料文献の世界から飛び出して
桂が生き生きと描かれます。

とってもよい作品です。堪能しました。

ただ、売れるかどうか…

まあ、そこは私が心配しても仕方がないところ。
これからの新刊も楽しみにしたいと思います。

毎度、駄文にお付き合いいただきありがとうございます。

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